アメリカのタイソン・ゲイという陸上選手を、知っているだろうか?
100mで9秒58の歴代最高記録を持つ、ウサイン・ボルトの名前を知っている人は多いだろう。
タイソン・ゲイは歴代2位の9秒69と言う記録を持っている選手だ。
まるでキャラクターのような大きな目と濃いひげで、見た目はインパクトに残りやすいので、陸上ファンでなくとも知っている人は多いかもしれない。
そんなタイソン・ゲイが、陸上に続き、ボブスレーに挑戦するらしい。
タイソン・ゲイのプロフィール
名前 タイソン・ゲイ
国籍 アメリカ合衆国
種目 短距離走
生年月日 1982年8月9日(34歳)
生誕地 ケンタッキー州レキシントン
身長 180cm
体重 79kg
100m 9秒69(2009年)
200m 19秒58(2009年)
400m 44秒89(2010年)
タイソン・ゲイがボブスレーに挑戦
タイソンゲイは2013年のドーピング検査により、陽性反応が出たため、2012年のロンドン五輪以降の記録が全て抹消。
翌年のモスクワ世界陸上の出場は断念され、さらに2014年5月2日からも1年間の出場停止処分を受けた。
復活をかけた2016年のリオオリンピックでは、4×100mリレーで銅メダルを獲得するも、まさかのバトンパスによる失格。
世界歴代2位の記録を持つゲイも、ここ数年はまさに「暗黒時代」だったのだ。
同期のライバルであるボルトに勝つためとあせったのか、ドーピングの使用がゲイの選手生命を狂わせた。
そんなゲイがチームメイトのライアンベイリーと共に目を付けたのが、「ボブスレー」だ。
ボブスレーは「氷上のF1」とも呼ばれるスポーツだが、4人で「そり」を押して乗り込み、コースを滑走してそのタイムを競う。
ポイントとしては、
・50~60mほどの助走をいかにスピードを付けて乗り込めるか
・4人の息を合わせてそりを押して行けるか
・ドライバーのハンドルさばき
が勝敗を分けるカギとなる。
ドライバー以外はスタートでそりを押し込んだ後は、乗っているだけなので技術はほとんど必要ない。
そのため「体重があって」「ダッシュ力が効く」、陸上の短距離選手や、ラグビー選手などをスカウトするチームも多い。
ともに100m9秒台で、身長180cmで79kgのタイソンゲイと、193cm102kgのライアン・ベイリーは、まさにうってつけと言えるだろう。
日本でも過去にはハンマー投げの室伏広治が、ボブスレーの日本代表候補に選ばれた事もある。
そしてボブスレーで選手の力意外に特に重要になるのが、「そり」の性能だ。
マックス130km/hを超えるスピードを出すボブスレーでは、このそりの性能が勝敗を大きく分ける。
いかに風の抵抗が少なく、スピードの出るそりを作れるかが重要だが、そりを製作する職人は、選手と同じくらいのプレッシャーがかかる。
日本ではこの職人にスポットを当てた、「下町ボブスレー」と言うドラマも過去に放送された。
決して甘いスポーツではないのだが、他の競技に比べると必要とされる技術は極端に少ない。
経験の少ない陸上選手でも、オリンピック出場やメダル獲得の可能性は十分にある。
ロンドン五輪では、陸上女子400mリレーで金メダルを獲得したローリンウィリアムズが、ボブスレーでもメダルを獲得した。
メダル獲得の半年前までは、ボブスレーで表彰台なんて全く考えられなかったと言うから驚きだ。
タイソン・ゲイは陸上を引退するのか?
そして気になるのが、タイソン・ゲイの陸上競技についての進退だ。
すでに34歳となっているタイソン・ゲイは、タイムを見ても昔のような勢いはない。
しかし同じアメリカのジャスティン・ガトリンは33歳で100mの自己記録を更新しており、引退する年齢としてはまだまだ勿体ないだろう。
セントクリストファー・ネイビスのキムコリンズは、40歳になる年に100mで9秒台を出し、リオオリンピックでも準決勝に残っている。
タイソン・ゲイの引退については、まだ本人から正式な発表はされていない。
100mでは厳しくとも、リレーでメダル獲得の可能性は十分にあるし、ボブスレーの練習としても陸上をやめる事はない。
本人の気持ちがあれば、まだまだ競技を続けるんじゃないだろうか。
できる事なら、2017年のロンドン世界陸上、2019年のドーハ世界陸上あたり。
2020年の東京オリンピックも、ボブスレーの代表として出場して欲しいものだ。
コメント