箱根駅伝で二代目「山の神」と言われ、山登り5区ですさまじい記録を打ち立てた、現在富士通に所属する柏原竜二が、2016年度末を持って競技を「引退」することを発表した。
まだ27歳、マラソンで大きく活躍する選手が30代半ばな事を考えると、あまりにも早すぎる引退だ。
柏原竜二は東洋大学時代に大きく注目されたが、その後入社した富士通の陸上部ではあまり目立った成績を残していない。
引退後は退社はせず富士通に残り、運動部のサポートや一般業務に専念するとのこと。
柏原竜二のプロフィール
本名 柏原 竜二 かしわばら りゅうじ
愛称 かっしー
生年月日 1989年7月13日(27歳)
出身地 福島県いわき市
経歴 いわき総合高校 → 東洋大学経済学部 → 富士通
身長 174cm
体重 55kg
自己ベスト
3000m 8分10秒44 (2009年)
5000m 13分46秒29 (2009年)
10000m 28分20秒99 (2009年)
ハーフマラソン 1時間03分16秒 (2009年)
マラソン 2時間20分44秒 (2015年)
本格的に競技を始めたのは、2002年の中学2年生の時。
それまでは「卓球部」だったと言う、異色の経歴だ。
高校では貧血のため競技中に失速することが多かったが、改善されてからは成績が大きく伸び、5000mで福島県高校記録の14分01秒50をマークした。
大きく注目されたのは、2008年の都道府県駅伝で1区区間賞を獲得した時。
一躍注目を浴びて、東洋大学からのスカウトで大学へ進むことになった。
箱根駅伝では1年生から山登りの5区に出場し、今井正人の区間記録を塗り替え8人をごぼう抜きする圧巻の走り。
そこから4年連続で5区山登りの区間賞を獲得し、山登りの適性を見せ、今井正人に続く二代目「山の神」と言われた。
卒業してからも競技を続けるため、強豪実業団の富士通へと入社した。
柏原竜二が陸上競技の引退を発表!
柏原竜二は2016年度末である、2017年3月を持って陸上競技を引退することを発表。
周囲からは続けるようお願いされたようだが、それを振り切って引退する形となったようだ。
私ごとではありますが、2016年度をもちまして現役を引退する事になりました。理由等は17時ぐらいに更新されるみたいなのでそちらをご覧ください。そして、その後に改めて報告や補足の説明等をできればなと思います。今までごく少数の人にしか話してなかったのでやっと発表する事ができました。
— 柏原竜二 (@kashi0713) 2017年4月3日
とりあえず、やっと発表できた事にスッキリしてます。そして友人たちの反応が「やめちゃうんだ…って事は土日遊べるし、ライブの遠征にいけるんじゃね?」という類は友を呼ぶ発言に嬉しさすら感じます。陸上をやってて良かったよ(笑)
— 柏原竜二 (@kashi0713) 2017年4月3日
補足として今後も依頼があればイベント等に飛び回ることになるので、現役の時より動きやすくなったと思ってもらって大丈夫です。あと、これはもっと補足なんですが、アニメとか漫画とかサブカルの案件も受けてもいいらしいです。(バラエティになりすぎるのはわかりませんが)
— 柏原竜二 (@kashi0713) 2017年4月3日
富士通公式HPからの本人のコメント。
私事ではありますが、2017年3月31日を持ちまして富士通陸上競技部を退部し、競技を引退したことを報告いたします。昨シーズン(2016年度)に度重なる怪我・故障をしてしまい、この発表をしている今でも完治しておらず復帰の目処がたたないことから、競技の第一線を退くことにしました。
福嶋監督をはじめ、これまで指導いただいた先生方から、「やめるには早いのではないか?」「治療やリハビリに専念してみてはどうか?」という言葉をいただきましたが、以前アキレス腱を長期間痛めた時に「もう一度大きな怪我をしたら競技人生に区切りをつける」と自分の中で決めていたこと、故障をしてから治療やリハビリに専念してきましたが回復する見込みがないことから、このような報告をさせていただくこととなりました。
最後までご心配をおかけしてしまい申し訳ありませんが、今まで応援していただいた皆様、いつも励まし支えてくれた友人、ご指導いただいた福嶋監督、チームスタッフ、チームメンバー、そして東洋大学 酒井監督と、いわき総合高校時代にお世話になった佐藤先生(現田村高校)には大変感謝しております。ここからは少し話が長くなってしまいますので、お時間があるときに目を通して頂ければ幸いです。また、なるべく自分の言葉で書きたいと思っていますので拙い文章かもしれませんがご容赦ください。
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私は中学時代から陸上競技を始めて、社会人まで競技を続ける事ができました。昔から何事も長く続かない性格でしたので自分でも驚いています。
そして、陸上競技を通じてたくさんの人と出会い、たくさんの人に支えられてきました。学生時代は人と接するのが怖くて部屋に籠って悩んだ時もありました。実家に帰り何も聞かずに支えてくれた家族や高校の恩師、福島県で陸上競技を指導されている先生方、そして大学に戻った時に何も言わず迎えてくれた仲間がいたからこそ今まで挫けずに競技を続けられたと思っています。この場を借りてあらためて御礼の言葉を伝えたいと思います。本当にありがとうございました。
今後は、富士通に残り一般業務に就きます。業務内容としては、主として強化運動部のサポートや地域・社会貢献活動の補助など、裏方の仕事がメインになると思います。引き続き陸上教室やゲストランナーなども、ご依頼があれば可能な限り対応させていただきたいと考えています。
また、これからもたくさんの人にスポーツを肌で感じてもらいたい気持ちは変わりません。よく、「競技場やスタジアムに足を運んでいいのかわからない」、「どのように観戦していいのかわからない」といった声を耳にしますが、観戦マナーを守っていただければ楽しみ方は自由です。もっと気軽に現場に足を運んでスポーツを楽しんでいただければと思います。自分の趣味の話しにもなりますが、これまで私はアニメやマンガやゲームが好きだと言い続けてきました。同じような趣味の人達がスポーツに興味を持ってくれたり、実際にアニメのTシャツを着て試合に出てくれるようになったことは本当に嬉しく思いますし、もっとスポーツに対する垣根やハードルを取り除き、スポーツのファンを増やしたいと考えています。そのような意味でも、スポーツがあまり詳しくない人も、アニメやマンガやゲームが好きでスポーツを観戦したことがないという人も気軽に現場に足を運んでいただければと思います。
特に陸上競技は、競技場に来ていただければいろいろな種目が行われているので見ていて飽きません。トラックは100mから10,000mまで、フィールドも跳躍や投てきなどさまざまな種目が行われています。そして、駅伝やマラソンも勝負の駆け引きや最後まで何が起こるか分からない多くの面白さがあり、ほかのスポーツでは味わえない魅力があると思います。是非、陸上競技場や駅伝・マラソンのコースに足を運び、選手たちのパフォーマンスを見ていただければと思います。
最後になりますが、今まで本当にありがとうございました。今後も引き続き柏原竜二を宜しくお願い致します。引用:http://f-trackfield.cocolog-nifty.com/blog/2017/04/post-6808.html
富士通からは2016年度末で5人が競技を引退すると発表。
塚原直貴、本塩遼、菊池昌寿、柏原竜二、横田真人
が現役引退を発表した。
そのまま富士通に残るメンバーもいれば、退社して新たな道に進む人もいるようだ。
鳴り物入りで入社するも、実業団の成績はイマイチだった?
柏原竜二は大学時代の活躍により、鳴り物入りでの入社となったが、実業団では怪我の影響もあり、あまり良い成績は残せていなかった。
2012年に入社してからの、主な競技成績を見てみよう。
2012年5月12日
第23回ゴールデンゲームズin のべおか大会
7位 柏原竜二(富士通)28分25秒37
2012年6月9日(土)
第96回日本陸上競技選手権大会
14位 柏原竜二(富士通)28分47秒74
2013年1月1日
第57回全日本実業団対抗駅伝競走大会
6区 柏原竜二 37分48秒(12.5km・区間4位)
2013年6月7日 〜 2013年6月9日
第97回日本陸上競技選手権大会
男子10000m 決勝
24位 柏原竜二(富士通)29分41秒23
2013年11月3日
第54回東日本実業団対抗駅伝競走大会
4区 柏原竜二 29分17秒 区間2位
2014年5月10日
2014ゴールデンゲームズinのべおか
20位 柏原竜二(富士通)14分10秒63
2014年11月3日
第55回東日本実業団対抗駅伝競走大会
7区(13.5km)柏原竜二 40分45秒 区間4位
2015年1月1日
第59回全日本実業団対抗駅伝競走大会 ~ニューイヤー駅伝~
5区 15.8km 柏原竜二 区間7位 48分06秒
2015年1月18日
天皇盃 全国都道府県対抗男子駅伝競走大会
3区 柏原竜二(富士通) 24分43秒 区間23位
2015年9月 シドニーマラソン
7位 2時間20分44秒
2016年1月1日
第60回 全日本実業団対抗駅伝競走大会(ニューイヤー駅伝)
5区 15.8km 柏原竜二 区間9位 48分31秒
2016年3月6日
第71回びわ湖毎日マラソン大会
52位 柏原竜二(富士通)2時間22分15秒
5000m、10000m、ハーフマラソンでは、記録に肉薄することはありつつも、大学2年時に更新した自己記録を突破することは無かった。
駅伝でも怪我の影響が大きかったらしく、大学時代の実績のような、期待された成績とはならなかった感じだ。
ちなみに初代山の神となった今井正人は、32歳の現在もチームのエースとして活躍し、マラソンでは2時間7分39秒の記録を持っている。
柏原竜二はやや早すぎる引退となってしまったが、今後はチームのサポート役としていい働きをしてくれるんじゃないだろうか。
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