YouTubeのCMは基本速攻で閉じるのだが、久々に全部見てしまうCMに出会った。
東京スカイツリーが、実は江戸時代に書かれた浮世絵に登場していたらしく、「うたがわくによしスカイツリーの画像」って検索してみてください♪とCM内でお兄さんがつぶやいている。
出てきた画像を見ていると確かに江戸時代の浮世絵に、スカイツリーに似た巨大な塔のようなものが出てきていた。
お姉さん「え~すご~い♪」「ゾクっとした~♪」
イラつきながら、んなアホな!と、歌川を疑わずにはいられない筆者が、果たして本当にスカイツリーが予言されていたのか、Googleストリートビューを使って比較&検証していこうと思う。
歌川国芳スカイツリーの画像がこれ
表題にもなっている、「歌川国芳スカイツリーの画像」と言われているものがこちら。
江戸時代の浮世絵に、確かに左側中心に、スカイツリーのような巨大な塔が2本立っている。
もしこれがスカイツリーを予言していたとしたら、確かにとんでもない話だ。
この絵は歌川国芳が描いた、正式名称「東都三ツ股の図」というものらしい。
歌川国芳は江戸時代末期に活躍した浮世絵師で、「奇抜なアイデア」「斬新な発想」で有名だった人物。
その絵には妖怪やたぬきが金○マを広げているものや、金魚が人間のように生活しているものもあり、今でいうマンガに近い発想で描いているものを感じる。
また理不尽な政策を押し付ける江戸幕府に対して、反発するような風刺画も書いていたらしく、権力に対してペンではむかっていくような人物だったようだ。
そしてこの東都三ツ股の図だが、三つ股と言うのが現在の中州当たりを指すらしい。
そこから推測すると、まずこの大きな川は現在も存在する「隅田川」。
そして右側にある橋は、この時代に最も下流にあったと言われている「永代橋」を表しているようだ。
さらには左奥には小名木川とそこにかかっている橋が見えており、書かれた場所が現在の「日本橋中州」当たりだと推測される。
Googleストリートビューで絵の場所をチェック
それではこの場所から、絵が描かれた角度で実際の風景を見てみる事にしよう。
こちらは日本橋の上から、絵の角度で実際に見てみた時の写真。
右端には首都高速深川線が写っており、永代橋がその向こう側にかすかに映っているのがわかる。
しかし肝心の東京スカイツリーはと言うと全く写っていない。
しかしもっともっと左側の方に視点を移してみると、、
90度くらい視点を変えた先に、ようやく東京スカイツリーを確認する事ができた。
どうやら実際の東京スカイツリーは、歌川国芳のスカイツリーの画像よりも、さらに左側に見える位置にあるようだ。
そこそこ似てはいるのだが、スカイツリーの建設が予言されていた!?というには、やや微妙なところだろうか。
そもそもタワーじゃなく櫓(やぐら)だった?
そしてこのスカイツリーと言われている塔だが、そもそも塔ではなく櫓(やぐら)と言われるものだった。
江戸時代によく使われていた火の見櫓、もしくは井戸を掘るための櫓によく似ており、歌川国芳が書いていたのはこの櫓のようだ。
この櫓がたまたまスカイツリーのように見えたため、話題になったと言うことだろう。
「歌川国芳がスカイツリーを予言していた!」というのはやや言いすぎのような気がしてしまう。
結局話題にするための「でっち上げ」と言われても仕方ないだろう。
そこまで細かく粗探ししなくていいじゃん(。-`ω-)
と言われてしまえば、それまでなのだけど。。
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