お笑い芸人の猫ひろしが、リオオリンピックのカンボジアマラソン代表選手となり、2016年8月21日に男子マラソンのレースが行われた。
世界のトップアスリートが集う中、猫ひろしは序盤から最下位争いを繰り広げる苦しい戦いになったが、最終的には最下位から2番目の139位でフィニッシュ(途中棄権が15名)。
ラストは自身の芸である「にゃー!!」のポーズをみせながら、ゴール後は会場を大いに盛り上げた。
順位は伴わなかったが2時間45分55秒と言うタイムで完走を果たし、本職のお笑い芸人がここまでやったのは正直驚くばかりだ。
猫ひろしのプロフィール
芸名 猫 ひろし
本名 瀧﨑 邦明(たきざき くにあき)
生年月日 1977年8月8日(39歳)
出身地 日本・千葉県市原市(カンボジア国籍)
血液型 A型
身長 147cm
最終学歴 目白大学人文学部卒業
芸風 コント
事務所 WAHAHA本舗
身長 151cm
体重 55kg
ハーフマラソン 1時間14分37秒(2012年)
マラソン 2時間27分48秒(2015年)
猫ひろしがリオオリンピック男子マラソンで139位でゴール
お笑い芸人猫ひろしがマラソンを本格的に始め、2016年のリオオリンピックで初めてのオリンピック出場がかなった。
ロンドン五輪でも代表になりかけたが、国籍を取得したカンボジアで認められなかったため、今回が初めての出場だ。
とはいえ、無謀な挑戦であることに変わりはなかった。
猫ひろしのマラソンの自己ベストタイムは2時間27分48秒。
トップクラスの選手は2時間3~4分台の選手が並んでおり、男子は2時間10分は切っていないとまず話にならない。
女子マラソンの日本代表よりも遅いタイムのため、厳しい戦いになる事は最初から本人も周囲も分かっていたようだ。
レース本番、猫ひろしは序盤から集団から離され、一時は最下位を走る苦しい戦いになった。
芸名の猫ひろしではなく、本名の「瀧崎 邦明」の名前で出場している。
それでも落ちてくる選手を拾い、また途中棄権する選手も増える中、粘りの走りを見せる。
あきらめずに最後まで走り切り、2時間45分55秒のタイムでゴール。
最下位から2番目の139位と言う順位になったが、芸人と言う異色の経歴から素晴らしい走りを見せた。
ゴール後には疲れをみせずに会場を大いに盛り上げる猫ひろし。
この当たりは陸上選手には真似出来ない、芸人ならではのパフォーマンスと言った感じだ。
まさに自分が主役の時間を作った猫ひろし、初めてのオリンピック挑戦は、本人にとっていい経験になったことだろう。
カンボジア代表になったきっかけはあの人?
それにしても猫ひろしはなぜ芸人からマラソン選手になり、カンボジア国籍まで取得してオリンピック出場を目指したのだろうか?
ここでは誰もが知る「あの人」の存在が大きくあったようである。
猫ひろしと言えば「にゃー!!」のギャグや、コントで一世を風靡し、一時期はテレビの中でお茶の間の人気者になった。
しかしその後は鳴かず飛ばずで一発屋状態となり、本人は今後の方向性にとても悩んでいたようだ。
そんな時にアドバイスをくれたのが、起業家のホリエモンこと堀江貴文さんである。
堀江さんは自身の著書「本音で生きる」の中で、次のように語っている。
以下、「本音で生きる」より抜粋・・・
本当に困っている様子の彼を見て、僕は相談に乗る事にした。まず彼の特技を聞いたところ走る事だと言う。彼はトレーニングをした事も無ければ、誰かに教えてもらったこともないのに、バラエティの企画でフルマラソンを走ったらあっさり3時間を切ってしまったのだ。
だが日本のマラソン選手の層は厚い。芸人としてマラソンがダントツに速くても、トップレベルの選手の中では埋もれてしまう。ならば日本でなければどうか、僕はカンボジアの政府関係者のコネがあったことを思い出し、彼に告げた。「猫さん、カンボジア人になれば、マラソンの代表選手になれるよ」「猫さんの答えは「ああそれいいすね、ヤバいっすね!」
カンボジア人になった猫さんは、湯集な成績を出してオリンピックの代表選手に選ばれた。何より「走る芸人」と言うポジションを彼は手に入れる事ができた。鳴かず飛ばずだった芸人が、ここまで来られたのはすごいことではないだろうか?
本音で生きる一秒も後悔しない強い生き方【電子書籍】[ 堀江 貴文 ]
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今回の猫ひろしのオリンピック出場については、堀江さんも相当嬉しく思っているらしく、自身のTwitterでもたびたびコメントしている。
ずっと見てました。マジで人気に
猫ひろし、リオで大人気に マラソン後まさかのサイン会 – LINE NEWS – https://t.co/F8ZowCKP25— 堀江貴文(Takafumi Horie) (@takapon_jp) 2016年8月22日
よく覚えてるね懐かしい笑。RT @i_o_i1205: 猫ひろしさんのカンボジア代表案は超少ない視聴者のDMMのネット放送で発案された記憶が(^^ 僕は運良くその貴重な放送を観ていた。御朱印巡りとかそんな発案からオリンピック出場案に着地したはず。
— 堀江貴文(Takafumi Horie) (@takapon_jp) 2016年8月23日
最高でした!
RT @cathiroshi: なんと現地に堀江さんも応援に来てくれた!素直に嬉しい! pic.twitter.com/TZ9J1rtfAH— 堀江貴文(Takafumi Horie) (@takapon_jp) 2016年8月22日
日本人がカンボジア国籍を取得しマラソン代表になるのは、いろいろな意見もあるが、個人的には全然かまわないと思っている。
国内の選手にとってはレベルアップのための目標になるだろうし、オリンピック出場で注目されれば競技人口も増え、結果的に競技の活性化にもつながるだろう。
紆余曲折がありつつも、猫ひろしはオリンピック出場を果たし、何かしらの爪痕を残すことができたと思う。
世界一を決めるトップアスリートの集団の中に40間近の芸人が参加し、順位が及ばないながらも最後まで完走したことは、多くの人の注目を集め感動を呼んだ。
今後の猫ひろしの人生についても、大きな影響を与えるのではないだろうか?